情報の海の漂流者

web上をさまよいつつ気になったことをつぶやいています。

10万年の世界経済史

読みたい本。




10万年の世界経済史 上
グレゴリー・クラーク
日経BP社
売り上げランキング: 4200
10万年の世界経済史 下
グレゴリー・クラーク
日経BP社
売り上げランキング: 6135

amazon内容紹介によると

「アフリカのサバンナで始まった原始的な狩猟採集社会から、一八〇〇年ごろまで続いた定住農耕社会にいたるまで、ほとんどの人間社会の経済活動は、ひとつの単純な事実によって形成・支配されていた。その事実とは、長期的には出生者数と死亡者数が必ず等しくなっていたことである」(本書第二章「マルサス的経済の論理」から)

マルクス『資本論』、スミス『国富論』、ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』に匹敵する、人類の「ビッグ・ヒストリー」を描いた本書は、膨大な歴史資料を分析して大胆な仮説を提示した気鋭の計量経済史家の問題作である。その問題意識は2つある。一つは技術進歩が人口の増加によって打ち消される「マルサスの罠」の時代がなぜ紀元前から1800年まで続いたのか、もう一つは英国が先頭を切った産業革命を期に、「マルサスの罠」を脱却して経済成長を果たした先進国と、サハラ以南のアフリカのように停滞したままの国が「分岐」したのか、である。
上巻は1800年以前の経済社会を豊富なデータをもとに再構成する。

とのこと。
ジャレド・ダイヤモンドの『銃・病原菌・鉄』と匹敵すると言われては読まずにはいられない。
あれは名著だった。

マルサスの罠について

ジャレド・ダイヤモンド『文明崩壊 下』p62が詳しい。

マルサスの推測によると、人口増加は幾何級数的に進むのに対し、食糧生産量は算術級数的にしか増えない。例えば、人口が二倍になるまでの時間を三十五年、二〇〇〇年当時の人口を百人として、それが同じ倍増時間で伸び続けるとすると、二〇三五年には二倍の二百人二なり、二〇七〇年にはその二倍の四百人になり、二一〇五年にはそのまた二倍の800人……と増えていく。しかし、食糧生産量の向上は、掛け算ではなく足し算で表される。例えば、ある画期的な新技術でコムギの収穫高が二五パーセント増え、別の大発見でさらに二〇パーセント増え、都いう具合だ。つまり、人口の伸びかたと食糧生産量の伸びかたには、基本的な違いがある。人口が伸びる場合、元の人口に加算される人々地震も子孫を作る。福利方のように、利息が利息を生むのだ。その結果、幾何級数的に増えることになる。それとは対照的に、食料収穫高の増加分は、さらに収穫高を増加させるわけではなく、算術級数的に上乗せされていくだけだ。
『文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)』(amazon)

要は、人間が何らかの人口抑制策をとらない限り、人口増大し続けて、余剰食糧をゼロに近づける。
食糧増産と人口抑制策はセットに行わなければ、やがて破綻するという意味なのだろう。


このマルサスの罠について、理解を深めたいと思っていたところ、『10万年の世界経済史』を紹介された。
中々面白そうだ。
この週末にでも読むことにしよう。