情報の海の漂流者

web上をさまよいつつ気になったことをつぶやいています。

無題

随分昔に自社で三十代未経験の精神障害の方が時短正社員時給換算2500円程で働いている話をしたのだけど、その続報。

僕はこの会社をもうやめてしまったのだけど、先日久しぶりに当時の同僚とオンラインで話す機会があり、近況を確認したところ
「直接の上司から定期昇給上乗せの申請があり、上層部が誰も反対しなかったため、彼は当時より給料が上がっている」という回答が帰ってきた。
この条件で仕事が経済的に成立していて待遇改善がすんなり通るくらいに、定着していることにちょっと安心してしまった。

彼は会社の障害者雇用第一号で採用当時社内に全くノウハウがなく、たまたまボランティアで障害者にパソコンを教える活動をしていた僕が担当となり、顧問弁護士・社労士、ハローワーク、支援機関、大学の福祉系学部の先生等に話を聞きながら手探りで制度を作っていったのだけど、ロールモデルが見つからなくて苦労したことを覚えている。

あのころ、障害者雇用については「雇うだけでも立派だ」という風潮があり、自治体の障害者就労フェアに行っても最低賃金で雇用している会社が成功例として登壇していたりしたのだけど
個人的には「生涯フルタイムで働けないかもしれない人」を最低賃金で雇用すると、最低生活費ラインを一生越えず、経済的に自立できないことが引っかかっていた。

いろいろ調べた結果、以下のような理由により、一般雇用と同じ待遇での応募になったのだけど、結果的には上手く行ったことになる。
※再現性はないと思われる。

  • 障害者雇用の最上位層の生産性は、大企業はともかく中小企業に応募してくる他の人材に大きく見劣りすることはないと思われる
  • 他社の待遇が低いため実際に最上位に近い人が応募してくる可能性は高い
  • 自社の規模で給与テーブルを複数作ると管理工数のほうが高く付く(社内の雑用を集めてやらせるのでないなら、全ポジションに設定する必要がある)
  • 時短勤務等各種制度は介護・出産・育児等に流用可能であり、障害者雇用固有のコストではない
  • 中間管理職の管理工数についてはかなりの配慮が必要
  • 体力面で懸念があるがそれは通勤も含めた拘束時間全体で考えるべきで、水曜日休みの週4勤務にすれば3連勤以上は原則発生しない

余談になるが、障害者雇用の場合、国や自治体等の補助を考えると単純に給与を上げれば可処分所得が上がるとは限らないのが難しい。
給与固定で労働時間を短縮するほうが良い効果があるケースもあるので、昇給時には本人に事前確認したほうが無難だと思われる。

  • 扶養範囲(配偶者や親族が家計のメインの場合)
  • 生活保護
  • 医療費
  • 障害福祉系サービス(所得税や住民税の非課税範囲を超える所得があると有料になるケースがある)
  • 一部障害年金の支給条件(高所得者の減額等がある)

また契約社員を正社員化することで支給される助成金が存在するため、求人時点では契約社員応募として、後に正社員とする方が原資が増えるのだけど、多分外部からは実態がわかりにくいだろうなと思う。
(契約社員・正社員あり、の方が待遇良いケースが混じっているんだけど、嫌な感じのと見分けつかない)

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