情報の海の漂流者

web上をさまよいつつ気になったことをつぶやいています。

生活保護世帯の何%が働いているか?


つーか、根本的に勘違いしているようだけど

生活保護受給者の多くは働いてるよ。

働いていないのは病気等で働けない人だけだ。

http://anond.hatelabo.jp/20100710092949


いや、君がカン違いしてるんじゃないかな。

生活保護って働くとそれだけ受給金額が減るから大半の人は働いてないよ。

生活保護受けて働いている人なんて数パーセント。

そもそも働ける人はほとんど生活保護通らないんだから。

http://anond.hatelabo.jp/20100710114808

そして、id:y_arimですが、生活保護受給者の就労率について少し調べてみました
にて、id:y_arimが生活保護世帯の就労率は低いが、その理由は違うのではないか?
と指摘したという流れ。
僕は現場を知らないので確証を持てないが、これは、id:y_arimの指摘が正しいように思える。
その上で、いくつか資料を提示したいと思う。


上の図は以前、生活保護関連統計資料等まとめ1〜生活保護の全体像 -
という記事でも使った、生活保護世帯の内訳である。
高齢者世帯や傷病・障害者世帯が8割を占めるという点をまず抑えて欲しい。

補足性の原理

生活保護には補足性の原則というのがある。

  1. 働ける人は働いてもらう
  2. 親族に生活費を出してもらう
  3. 他の制度を利用してもらう
  4. それでも最低生活費に足りない場合、足りない分だけ生活保護費が下りる

こういう制度なので、働いたら働いた分だけ生活保護費が減らされるだけだから働かない、という状態はまぁありえるだろう。

勤労控除

しかし、生活保護には働いて収入を得たとき、手元に残るお金が増える、勤労控除というものがある。
たいした額ではないが、ちょっと使えるお金が増える。

平成20年被保護者全国一斉調査 基礎調査によると、この基礎控除を利用した世帯数は 140091 となっている。
同資料によると、被保護世帯全体は1113283世帯であるので、生活保護世帯の12.6%がこれを利用していることになる

生活保護世帯のうち、就労者のいる世帯は?

また、被保護者全国一斉調査には就労者のいる世帯数、 級地・就労人員・世帯類型・世帯人員別というそのものズバリのデータがあって これは138790世帯となっている。

これらのデータを見るに、生活保護世帯の12%位は働いている、ということになりそうだ。

まとめ

  • 生活保護世帯の内8割以上は高齢者世帯や傷病・障害者世帯であり、そもそも働けない人が多い
  • 生活保護者が働いたら、ちょっぴりだけ貰えるお金が増える
  • 生活保護世帯の12%位は働いている人がいる世帯だ

お薦め本


生活保護というよりも貧困全体にアプローチした本。
この手の書籍の中では比較的分かりやすく書いてある。