私立高校は公立高校に行けなかった人が仕方なく行くところというのは、なんか違う気がする。

「学費が払えない。政府なんとかして」「大雨でも自転車で通ってる」…全国の私立高生が抗議やそのブックマークコメントを読んだ。
2chの元スレッドはこちら。

http://d.hatena.ne.jp/fut573/20090529/1243557620 にブクマレスとか追記とか

元スレッドのタイトルは

【愛知】「週4日でバイトしても学費が足りず祖父まで働いている」「大雨でも自転車で通学」…経済的理由の退学者救って私立高生ら訴え

痛いニュースの場合これを

「学費が払えない。政府なんとかして」「大雨でも自転車で通ってる」…全国の私立高生が抗議

と改題してある。高校生のわがままというニュアンスが強調されて、ちょっと悪影響がある気がする。

このスレッド、なんか引っかかったので脳内ディベートをしてみた。
以下、高校生側の立場でのつっこみ。

バスで200円の距離

全国的には距離によって料金が変わる路線も多いので勘違いされがちだが、いくら乗っても料金固定の路線がある。
そういう所では200円で随分遠くまで行ける*1。
200円区間＝近いというわけではない。

雨の日の自転車通学程度でガタガタいうな論に対して

晴れの日の自転車通学はいい運動になるかもしれないけど、雨の日は危ない。
ブレーキが利きにくいし、視界も悪くなり、事故が発生しやすくなる。身体が濡れれば体調が悪くなることもある。
少なくても、そういう危険性だけは減らす方向に話を進めるべきではないだろうか。
それと、「オレが苦労したからお前も苦労して当然」的な考え方が主流になると社会が進歩しなくなる。
その理屈だと、二世代前の人から「自転車など贅沢。早起きして歩け！」と言われかねない。

金銭的問題

公的援助

学業が続けられればいいならば、助成金ではなく、返還義務ありの奨学金や教育ローンの形で援助するという方法がある。
その場合、公的負担は比較的少なくなる。
こういう形のサポートも認めない立場の人が多いのだろうか

金が無い人は最初から私立を選ぶな論への疑問

この不況で両親の勤めている会社が倒産したりして、経済状況が悪化した事で、経済的理由の退学が増えている事に対する問題提起だよねこれ。
セーフティネット論なのに、入学前の経済状況を問題にするのは、なんか違わない？

県外へ向かう交通費はあるのか論

これは一種の広告費とか必要経費。
交通費よりも大きなリターンが有ると考えたなら、有りではないだろうか？

ユニセフ親善大使の黒柳徹子さんが海外出張するときに、その金の分募金しろと言う人が少ないのは、彼女が活動する事で交通費以上のリターンがあるから。
企業が高い金を払って広告をうつのは、それ以上の利益が期待できるから。
今回の交通費もそういった類のものではないだろうか？

中堅私立高校の進学以外の強み。

(これは一流進学校以外の私立高校を公立高校に落ちた人が行くところという意見に対する反論)
私立学校の教師は基本的に転任がない。
問題を起こさない限り退職まで一つの高校に居座る先生も少なくない。
卒業してから10年、20年の後、ぶらりと母校に立ち寄ると、在校時にお世話になった先生が何人も残っている。
そういう環境なのだ。
これがどんな意味を持つかは、公立高校出身者にはぴんと来ないかもしれない。

中堅私立高校は就職面で強い場合が多い。

同じ高校に何十年も勤め、毎年教え子を地元企業に送り込んでいる先生は、地元企業へのコネがある。
自分が就職斡旋した生徒が、人事担当や経営者になっているのだからこれは強い。
授業内容に自由度が高いので、秘書検定や公務員試験、基本的な礼儀作法を学べる場合もある。
そういう学校は地元限定で「はずれが少ない高校」として評価されているケースがある。
中堅私立高校は、地元企業への就職斡旋機関として同レベルの公立高校より優れているケースがあるのだ。