情報の海の漂流者

web上をさまよいつつ気になったことをつぶやいています。

【バンビーノミス疑惑】トマトは料理に使わないけど無いけどじゃがいもは使う時期って無かったっけ?

を読んで


劇中ではトマトの致命的な病気が世界的に大流行してトマト生産が壊滅し、トマトが手に入らなくなってしまいました。イタリア料理でトマトが使えないのは大問題です。しかし、トマトはもともと南米原産で、大航海時代にヨーロッパに導入されるまでは料理に使われていませんでした。そこで、大航海時代以前のイタリア料理を再現することで、「トマトなしのイタリア料理」を作ろう。というのが今回の粗筋です。

ミスとは、大航海時代以前の「古代ローマ」、「ルネサンス」時代のイタリア料理を再現するはずなのに、トマトと同様に南米原産で、大航海時代にヨーロッパに導入されたジャガイモが使われていることです。結論から言ってしまうと、作者と編集部の単純な調査不足でしょう。


漫画「バンビーノ」のミスに感じた「料理の定義」の難しさ - バッタもん日記

うーん。じゃがいもやトマトについては大昔にTRPGのシナリオで登場させようとして調べたんだけど、確かヨーロッパで食用にされ始めた時期に差異があったと記憶している。
(たしか花田一三六さんの「最後の仕事」という短編小説に影響されてこのネタやろうと思ったはず。この作品は 戦塵外史四 豪兵伝 (amazon)に収録されている)
当時の資料を入れたダンボールが部屋内で行方不明になっているのでちょっと論拠を出せない状態なのだが、取り急ぎ百科事典で調べてみた。

じゃがいも

 南アメリカにおけるジャガイモの栽培は,1526年の征服者ピサロのスペイン本国への報告によって初めて旧大陸に知られるところとなった。ヨーロッパへの伝播(でんぱ)については,その時期,経路などについてさまざまな説があるが,16世紀中ごろにはジャガイモの塊茎がスペイン人によってイベリア半島の本国に持ち帰られ,そこから,ブルゴーニュ,イタリア,ドイツへと伝えられていった。イギリスへは,1586年ころ別の経路でバージニアから輸入されたといわれる。
(世界大百科第二版より)

トマト

ヨーロッパへは大陸発見後,16世紀の初めにイタリアに導入されたが,当初は観賞用として栽培されたにすぎず,18世紀中ごろになって食用として栽培されるようになった
(世界大百科第二版より)

手元にある世界大百科の記述では、ヨーロッパにおける食用開始時期に差異がありそうな気がする。

ルネサンス


ルネサンス(仏: Renaissance 直訳すると「再生」)とは、一義的には、14世紀 - 16世紀にイタリアを中心に西欧で興った古典古代の文化を復興しようとする歴史的文化革命あるいは運動を指す。また、これらが興った時代(14世紀 - 16世紀)を指すこともある。


ルネサンス - Wikipedia

で、ルネサンスを14〜16世紀とするならば、末期にトマトは使わないけど、じゃがいもは使うイタリア料理が存在した可能性はありそうな気がしてきた。

時間に余裕ができたときにでも本格的に調べてみるかな。