情報の海の漂流者

web上をさまよいつつ気になったことをつぶやいています。

「ゼロ+ゼロ」はゼロだけど、「ゼロ+ゼロ+イチ」はイチ以上だという話。

これからしばらく、保育所関係のメモを書こうと思っている。
今回はまず手始めに資料の読む時の注意点について。

市区町村単位と、都道府県単位では大きく異なる「待機児童MAP」


【元データ】厚生労働省:(資料3) 都道府県・政令指定都市・中核市別 保育所待機児童数 集約表
の数値を集計し、比較したもの。(平成21年4月1日の状況)


左の図は、市区町村ごとの待機児童の有無をグラフ化したもの。
待機児童が「いる」市区町村は全体の2割に過ぎない。
右の図は、都道府県ごとの待機児童の有無をグラフ化したもの。
待機児童が「いる」都道府県だと全体の8割近くになる。
たとえ同じデータでも市区町村単位で見た場合と、都道府県単位で見た場合では、まったく逆の結果になるのだ。

「ゼロ+ゼロ」はゼロだけど、「ゼロ+ゼロ+イチ」はイチ以上

【例】仮想はてな県の場合
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■=待機児童有り
□=待機児童なし
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◇東村は待機児童が0人
◇南村は待機児童が0人
■東村は待機児童が1人
◇北村は待機児童が0人
の時、はてな県に属する市区町村の内、待機児童がいるのは1村。待機児童率は25%になる。
■◇◇◇


はてな県は【待機児童がいる県】になってしまう。


0+0+0+1はイチ以上なのだ。

実例・北海道の場合


【元データ】前出 厚生労働省:(資料3) 都道府県・政令指定都市・中核市別 保育所待機児童数 集約表 よりMAPを作成。


ごく一部の自治体の待機児童数が突出しているのが分かる。
他のほとんどの自治体は待機児童がゼロだったり、子供の数が減りすぎて保育所が閉鎖していたりする。
過疎化と人口集中が同時に起きているわけだが、そのことについては、次回以降詳しく書く予定。

実例・全国の場合


【元データ】厚生労働省:保育所の状況(平成20年4月1日)等について

厚生労働省:(資料3) 都道府県・政令指定都市・中核市別 保育所待機児童数 集約表
の数値を集計し、比較したもの。
横線が、待機児童ゼロの都道府県。


都道府県単位で見ると、ほとんどの所が待機児童ありになってしまう。

まとめると見えなくなるもの


厚生労働省:(資料3) 都道府県・政令指定都市・中核市別 保育所待機児童数 集約表よりグラフ作成。
グラフは再び北海道の例。
この手のネタは待機児童だけではなく、保育所の定員問題でも注意しなければならない。


道内全体で見れば、保育所の需要は足りている。
しかし札幌市に限定すれば保育所の数が不足しているのが分かる。
保育所(保育園)というのは毎日利用する施設だ。
自宅から片道何時間もかかる山奥の保育所のクラスに空きが合っても、通うのは無理なのだ。
この例ではやはり、保育所が不足しているといえる。

  • 保育園はピンポイントで足りてない。足りている地域や、余っている地域もある

続くはず

この資料の読み方の注意点を踏まえた上で、保育所ネタは次回に続く(予定)。