情報の海の漂流者

web上をさまよいつつ気になったことをつぶやいています。

もしドラよりもレビューが多いあの本をamazonに薦められてしまった

某所でサイレント・マジョリティーとノイジー・マイノリティについての議論があった。
その流れでいわゆる「ネットウヨク」と呼ばれる人たちはノイジーマイノリティか否かという話になり、参加者の一人がamazonのレビュー数を論拠に彼等はノイジー・マイノリティであるという論を展開した。
「あれだけヒットしたもしドラより、彼等の聖典であるマンガ嫌韓流の方がレビュー数が多い。これは彼等がノイジー・マイノリティである証拠だ」



ちなみに僕はこの時点で、議論に呼ばれた。ネット上の集団投票行為を継続的に追ってるブロガーとしての見解を求めて招待されたらしい。
で、以下のようなことを説明した。

もしドラより嫌韓流のほうがamazonレビュー数が多いのは事実

まず、一番売れた版同士を比較すると、もしドラより嫌韓流のほうがamazonレビュー数が多いのは事実である。

タイトル レビュー数
マンガ嫌韓流 890
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら [単行本] 767

しかし、このデータ単体でもって、嫌韓流の読者がノイジー・マイノリティであると述べるのはちょっと飛ばし過ぎである。
amazonベストセラーアーカイブによると、もしドラが2009年の年間販売数一位であるのと同様に、マンガ嫌韓流も2005年にあの『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』を抑えてamazonベストセラーランキングの一位になっている。


毎日新聞によるとマンガ嫌韓流は一年間で67万部を売り上げた作品であり、実際の購入者は決して少なくない。

マンガ嫌韓流:ブーム逆手に67万部 セミナー開催
数多くの賛否の意見が寄せられている「嫌韓流」。中は刺激的な言葉が並ぶ


 日韓併合や竹島など日韓を巡る問題について論じた「マンガ 嫌韓流(けんかんりゅう)」(晋遊舎)シリーズが、出版から約1年で67万部を売り上げた。


マンガ嫌韓流:ブーム逆手に67万部 セミナー開催−話題:MSN毎日インタラクティブ


また、あの本はネットを中心にブームが広がったため、総売上に占めるネット書店の割合は通常より高いはずである。両者のamazonでの販売数を比較せずに、安易に「あのもしドラよりもレビュー数が多いからノイジー」と結論づけてしまうのは疑問である。
これを元に「ネトウヨノイジーマイノリティ説」を語るならば、もうちょっとデータを集めないと駄目だ。
その方向で論を立てるならば嫌韓流ではなく、花王やフジデモ関係の騒動を根拠にした方が筋がいいのではないか?

こんな感じで

こんな感じで、amazonを眺めながら嫌韓流について長々と語っていたところ、amazonさんは僕が嫌韓流に大変強い興味を持っていると判定したらしく、最近はログインするたびにマンガ嫌韓流を強くプッシュしてくるようになってしまった。
別に購入を検討していたわけではないのに……

困ったものである。