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外国人参政権に反対の署名 加西市会事務局紛失についてのメモ


兵庫県加西市議が集めた永住外国人への地方参政権付与の法制化に反対する署名が、議会事務局内でなくなっていたことが8日、分かった。意見書案と一緒に臨時市議会にも提出できず、市議は「言論を妨害されたような思い。再び署名を集め、政府に地方議会の意見を届けたい」と話している。


 意見書案は、国民ではない永住外国人に地方の選挙権を与えることは憲法上問題があり、参政権を取得するには帰化するべき−といった内容。


 市議や議会事務局によると、市議が今月2日、意見書案と署名をファイルに閉じて議会事務局の机に置いていた。計8人の市議が賛同し、署名していた。


 6日朝、出勤した事務局の職員が署名が無くなっていることに気づいて探したが見当たらず、7日に開催された臨時市議会に提出できなかった。5日午後までは所在が確認されており、事務局職員が5日、施錠して帰宅していたという。


 盗難にあった可能性もあるといい、市議は「3月議会で提出したのでは時機を逸する恐れがあるので、今議会の最終日に提出したい」と話している。

外国人参政権への反対署名、盗難か 兵庫・加西市議会事務局 - MSN産経ニュース


こんな記事が話題になっていた。産経新聞の記事から分かることは。

  1. この署名は一般人に広く求めたものではなく、市議会議員を対象としたもの。
  2. 署名が無くなったが原因は現時点で不明である。
  3. 見出しに「盗難」の語を使ったことで、可能性の一つに過ぎない「盗難」を必要以上に印象づけている。
  4. 紛失?の経緯や状況についてはほとんど記述がない。

といったところだろう。なお、市議の名前は載っていない。
「外国人参政権への反対署名、盗難か」を「外国人参政権への反対署名、盗難か!?」とした方がしっくり来る内容だ。
ここ最近、MSN産経ニュースの見出しがスポーツ新聞化しているように感じる。

神戸新聞


外国人参政権に反対の署名 加西市会事務局紛失  

 国に提出する「永住外国人への地方参政権付与の法制化に反対する意見書案」に賛成する加西市議の署名が記された資料がなくなっていることが8日、市議会事務局などへの取材で分かった。

 意見書案は、永住外国人に地方議会の議員や首長の選挙権を与えることは憲法上問題がある-という内容で、丸岡弘満市議が作成。2日、賛成者を募るため、バインダーに意見書案と署名用資料の計2枚をはさみ、事務局内の棚の上に置いていたという。

 5日午後4時ごろまでは確認されていたが、6日午前10時半ごろ、職員が署名資料1枚がなくなっていることに気付いた。少なくとも8人の署名があったといい、丸岡市議は、7日開会の臨時議会で意見書案とともに提出する予定だった。

 議会事務局は「今後、私文書、公文書の管理法を考える」としている。丸岡市議は再度署名を募り、早ければ15日の本会議で提案する。

神戸新聞|事件・事故|外国人参政権に反対の署名 加西市会事務局紛失 


神戸新聞の記事を読むと、状況がもう少し詳しく分かる。

  1. 問題の市議は丸岡弘満さん
  2. バインダーに挟んでいた資料のうち一枚がなくなった
  3. 盗難という語は使われていない。


現在のところ、産経、神戸新聞以外のニュースソースは確認出来ていない。
問題の市議、丸岡弘満さんは、ブログを書いているので、確認してみたが、この件についての記述は無いようだ。
十分な情報が存在せず、現時点では判断を保留すべき「事件だろう」

こういう膠着している「事件は」

ネットにおける伝言ゲームの様子や、それを取り上げる2chまとめブログのスタンスを考察するのに適している。
同じ材料を使って完成した「料理」の違いを確認してみよう。

何でもありんす

何でもありんす: 【社会】 外国人参政権への反対署名、盗難か。市議会に提出できず…兵庫・加西市議会事務局
盗難説、紛失説、自作自演説などを拾い、2ch内に議論があったことがよく分かる構成になっている。

2ちゃん的韓国ニュース

2ちゃん的韓国ニュース : 外国人参政権への反対署名、盗難か。市議会に提出できず…兵庫・加西市議会事務局
「反日」や「朝鮮人犯人説」といった意見を中心に拾い、盗難説一色に染めている。

痛ニュー速報!

痛ニュー速報!: 【社会】 外国人参政権への反対署名、盗難か。市議会に提出できず…兵庫・加西市議会事務局
盗難説を前提にした上で、市議の管理責任を問う意見を多く拾っている。

アルファルファモザイク

外国人参政権への反対署名、盗難か。市議会に提出できず…兵庫・加西市議会事務局:アルファルファモザイク
盗難説を採用した上で、対立軸を演出している


同じ材料を使っても、編集方針によって、印象が大きく変化することがよく分かる。

まとめ

現時点では、真相は不明。
引用は、編者の意見を代弁しうる。同じソースでも編集の仕方で見るものの感想は大きく変化する。
タイトル釣りは有効