情報の海の漂流者

web上をさまよいつつ気になったことをつぶやいています。

はてなアイドルの力を過大評価しすぎでは?

ロジックについては他の人に任せてデータの部分について書きたいと思う。
先日、渋谷駅の階段に「華人和 朝鮮狗 禁止入國」という文字を掲げたポスターが貼られていることを、有村悠氏が発見し、ヘイトスピーチとしてブログで紹介した。

氏はその後、問題の文字を塗りつぶした。


この事に対して、Thsc氏は以下のように批判をした。

行為者はメッセージを数日間の通行人に届けようとしたが、「晒す」ことによって数倍数十倍の人間にメッセージが届き、今後も引き続き届くのである。なんという抑圧への加担か。その「ヘイトスピーチ」を拡散したのはあなたであり、はてなブックマークの面々である
2011-08-11 - 豚小屋

渋谷駅は世界有数の巨大駅であり、その乗降客数は全鉄道会社合わせて一日あたり200万人を超える。
比較のために申し上げると、国内最大規模のイベントであるコミックマーケットの入場者数が一日あたり16万人程度であるので、渋谷駅を利用者数はコミケ10日分以上である。
この内一定の割合の人が問題のポスターを見ることになる。


一方、有村氏の問題のブログ記事は、現時点でブクマ数127、twitterの言及数142である。
僕の経験上、ソーシャルメディアでの言及数がこの程度の場合、記事のユニークアクセスは1〜3万アクセス程度になることが多い。


世界有数の乗降者数を誇る渋谷駅の階段を通る人の数通と、ネット上のマイナーサービスであるはてなのアイドル有村悠氏のブログの閲覧する人の数。
両者を比較して後者に数倍数十倍の拡散効果があるというのは、さすがにはてなアイドルの過大評価であり、事実誤認ではないかというのが僕の見解である。
有村氏が速やかにメッセージを上書きしたことでむしろ、リアルとネットを合わせた総閲覧数は減少したのではないだろうか。