情報の海の漂流者

web上をさまよいつつ気になったことをつぶやいています。

在特会が週明けにも告訴されるらしい。

今月4日に在日特権を許さない市民の会が、初級学校(幼稚園+小学校に相当)に押し寄せ、乱暴の限りを尽くした件について、各紙一斉に報道を始めた。
ウェブ上では共同通信(47News)と朝鮮日報の記事を読むことができる。



朝鮮学校で「スパイの子」 “抗議行動”を告訴へ


 京都朝鮮第一初級学校(京都市南区)で今月4日、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の旗を持った男性約10人が抗議行動と称して校門に押しかけ、拡声器を使って「スパイの子ども」などと騒いでいたことが18日、分かった。


 校内には近隣の朝鮮学校も含めた児童約170人がいた。学校側は、偏見や差別感情が理由の「憎悪犯罪(ヘイトクライム)」だと反発。週明けにも威力業務妨害などの容疑で京都府警に告訴する


 集まったのは在特会関西支部メンバーら。校門前にある京都市管理の公園に学校がサッカーゴールや朝礼台などを置いていたため、在特会の桜井誠会長は「不法占拠したことへの抗議」と説明している。


 学校が撮影した映像では、数人が朝礼台を正門まで運び「門を開けろ」と要求。学校関係者が「ここは学校です」と制止すると「こんなものは学校ではない」「朝鮮学校を日本からたたき出せ」などと拡声器で叫んだ。

朝鮮学校で「スパイの子」 “抗議行動”を告訴へ - 47NEWS(よんななニュース)



朝鮮学校に右翼団体が押し掛け乱暴狼藉 /京都
 東京新聞が18日に報じたところによると、今月4日、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)系の学校に右翼団体の構成員らが押し掛け、乱暴狼藉(ろうぜき)を働いたという。


 同紙によると、「在日特権を許さない市民の会」「主権回復を目指す会」など極右団体の構成員十数人が、京都朝鮮第一初級学校(小学校に相当)へ押し掛け、拡声器で「キムチのにおいがひどい」といった暴言を吐いたり、朝礼台を校門にぶつけたりした。


 この構成員らは、「朝鮮学校が裏側にある市の公園を無断で占拠し、朝礼や体育の授業などを行っている」として、「(京都)市が黙って何もしないため、われわれが抗議しに来た」などと主張した。その上で、学校側が集会などを行うため、公園まで引いていた電線を切断するなどした。こうした突然の事態を受け、児童たちはしばらく、校舎内での待機を余儀なくされた。
(中略)

朝鮮学校に右翼団体が押し掛け乱暴狼藉 /京都 | Chosun Online | 朝鮮日報


一番詳しいのは12月18日の東京新聞だろう。
朝鮮日報の記事も東京新聞を底にしている。
時系列や各種用語の解説を踏まえた上で、関係者に取材をしてコメントを取るという非常に丁寧な記事であり、ウェブ上で読めないのが残念だ。
要点だけ紹介しよう。
以下引用は、東京新聞12月18日の記事からである。

朝鮮学校は在日コリアンの子どもたちに民族の言葉や文化を伝えようと設立され現在、全国に約70校ある。日本では各種学校扱いで朝鮮籍だけではなく、韓国籍や日本籍の子らも通っている。

まず、朝鮮学校の成り立ちについて説明している。
なお、朝鮮学校の初級学校は、幼稚園と小学校が併設されている場合が多く、京都朝鮮第一初級学校も幼稚園生もいる学校であった。
今回の場合、幼稚園生は校外学習中であったとのことで、心に傷を負わずにすんだのは幸いである。

ネット上で公開されている動画を見ると、裏門に男性10人ほどが押しかけ、「開けんかい」「なめとったらあかんぞ」「キムチ臭いでぇ」などと怒声を浴びせた。学校から公園に向けた拡声器の電源が切られ、公園にあった朝礼台も学校の門の前に投げ出された。

酷い言葉である。僕は該当の動画を見たのだが、たいへん口汚く罵倒をしていた。
子どもには聞かせたくない言葉だ。

関係者のコメントを見てみよう

東京新聞の記事には関係者のコメントが掲載されていた。これを引用してみよう。

同校の高炳棋校長は「公園使用は京都市や地元の町内会と協議して了解を得た結果。不法占拠ではない』と説明する。

同校の校長は不法占拠ではなく了解をえているとコメントをしている。
なお、この事は京都市に当てた要望書である京都朝鮮第一初級学校の勧進橋公園使用に関する要望にも書かれている。
この要望書は2004年に書かれたものであり、2009年12月04日の時点でweb上に存在した。
同校が許可をえて公園を使用していたことは、デモの前から確認可能だったのだ。

京都市の担当者は「公園は住民も学校も使うので、他の住民に不便がないようにと学校に何度か指導はしているが、使用をやめるようにいったことはない」と話す。

京都市の担当者はこのように述べている。
公園の使用するのは、その辺の少年野球チームでもしていることであり、適切な手続きさえ取っていれば別に問題はないのだ。

日本の大学で教員を務める保護者の一人(42)は「いくら表現の自由があっても、学校に着て『スパイの子供たち』『挑戦学校を日本からたたき出せ』『と拡声器で怒鳴り散らすのは政治活動のルール違反だ」と憤る。

残念ながらこの在特会。そのルール違反の常連である。
以前にも中学生に対してデモを起こし、自宅や学校を取り巻いて口汚く罵倒した事がある。
「プラカードを掲げて反対」した人に対して殴る蹴るの暴行を働いたこともある。
在日コリアンを指差し、「あなた達は売春するために日本に来たのでしょう」と拡声器で叫んだこともある。
そういう集団なのだ。

時系列表

以前にも載せたのだが、もう一度掲載。
京都朝鮮第一初級学校での在特会らの騒乱事件について(1)/朝鮮総聯京都国際部 - 薔薇、または陽だまりの猫
に掲載されていたものを整形したもの。



















日時出来事
11・21土 在特会、京都本部前で2時間弱騒動 その中で第一初級に押寄せると言う。
11・24火 校長に通報。総聯本部内協議。
11・25水 事前にネットで流された公園内とインタビュー内容及び11・21騒動に対する対策協議(学校で)
11・26木 府会議員に面談。事情説明。議員同席で府警に警備を要請
同日夜 保護者代表たちに説明・対策協議(学校で)
11・27金 工事会社の所長と面談。ガードマンの再教育要請
11・28土 警察署来校。警備要請
11・30月 市会議員にこの間の報告と対策協議
12・01火 町内会長面談
12・04水 南区役所面談協力要請
同日 在特会11人 押寄せ1時間騒動。保護者等50余名が対応(日本人弁護士を含む)> ※ 朝鮮学校同士の交流会中。低学年は授業中。 (幼稚園児は校外学習で学校にいなかった
12・05土 府・市会議員たちに報告。 府会議員が本部に来て対策協議。理解のある日本人たちにメールで報告。 本部内の対策協議続く。
12・07月 学校が保護者たちに文書で報告
同日 本部に対策委員会設置
12・08火 保護者の集いで校長が他の問題とともに12・4騒動の経緯とこれからの対策を説明
同日 府会議員と府警と南署に申し入れ