情報の海の漂流者

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都議選における幸福実現党の先進的web戦略について2

http://d.hatena.ne.jp/fut573/20090713/1247449421の続き。

グーグル・アドセンスの有効活用

幸福実現党はGoogleが提供している広告サービス、Google Adsense*1を有効に活用していました。

Google Adsenseには、ウェブページの中の文章を自動的に調べて、最適な広告を提供する機能があります。
幸福実現党の場合、その広告先を党のホームページに指定していました。
そして、党のホームページの目立つ所に候補者のホームページへのリンク集があります。
政治系のブログ → 党のホームページ →候補者のホームページ
という綺麗な流れがあることが分かります。




党による一元管理とadsense広告により、一般のブログやホームページから、候補者ページへの経路を形成していたわけです。


これは中々効果的なシステムだと思います。


この手法の優れている点は、他党が真似し難い点にあります。
Google Adwords の広告はキーワード毎に設定するのですが、同じキーワードで競合した場合、高値を付けた方が優先されるという特徴があります。
新党である幸福は、競合する相手がいないため、最安値で広告を出せますが、自民党や民主党は競合相手がいます。
そのため、幸福ならが100万円ですむ広告でも、民主が実現するなら7〜800万円。自民の場合1000万円以上払わなければなりません。
コストパフォーマンス的に有利なのです。
この辺、自党の特徴を良く抑えた選択だと思います。

Amazon アソシエイトの有効活用。

これも Adsenseと同じく、ページ内のキーワードから自動的にマッチしてくれるサービスです*2
Amazonの場合、アドセンスと違って、本やCD等を販売する事を目的としています。
『幸福実現党宣言』という本がありまして、これが都議選関連の話題を扱うブログに自動的に表示されていました。
中々広告効果があると思います。


ところで疑問なのですが、今回都議会選挙に出馬した方は「都議選うろうろ日誌」とか「都議選奮闘記」という様なタイトルの本を出版する事を検討したのでしょうか?
現在amazonに取り扱い可能な書籍の中に「都議選」というタイトルを含む本は一冊も無いので、出しておけば関連のblogに片っ端から表示されたはずです。
恐らく、のべ100万回単位で。
候補者さんの顔写真を表紙にしておけば、「名前」+「顔」+「都議選」の組み合わせが安価に周知できたと思うのです。
誰もやらないという事は、これって公職選挙法違反なのでしょうか?


共産党の木村陽治さんは、『都知事選ウロウロ日誌』という書いているようです。これが知事選挙の時に時々表示されていましたが、共産党候補の方が逮捕されたという話は聞きません。
恐らくセーフだと思うのですが……

まとめ

幸福実現党は選挙には敗北したが、非常に面白い戦略をとっていた。
これは色々と参考になる。

*1:提供する側の場合Adwords

*2:他の機能もある