情報の海の漂流者

web上をさまよいつつ気になったことをつぶやいています。

夜光の杯



葡萄の美酒 夜光の杯
飲まんと欲すれば 琵琶 馬上に催す
酔うて沙場に臥すとも 君笑うことなかれ
古来征戦 幾人か回る

中学生の頃読んで、物凄く感動した漢詩。
唐代の詩人、王翰の作。
月光の白、杯の緑、葡萄酒の赤。
エキゾチックで鮮やかな色が脳内に浮かんでとても印象的だった。


夜光杯とはなんなのだろう?
一般の兵士が持つような杯だから、きっと無骨でシンプルな形をしているのだろう。
今のガラスのように透明度が高いわけではなく、少し濁った素材に違いない。
当時は既に乾杯の習慣があったのだろうか?
などなど、とりとめもない想像をするのが楽しかった。
画像はその頃の妄想を元に描いたけど、多分実物とは別物なんだろう。


二十歳の4月、満月の夜に安ワインと濁りガラスのコップを持って夜桜を見に行った事がある。
公園のベンチで陳舜臣さんのエッセーを読みながら葡萄酒をちびちび飲んで一晩過ごした。
ちょっと幸せな時間だった。